かつてテレビで一世を風靡した芸人「ですよ。」さん。その強烈な謝罪ギャグ「あいとぅいまてーん」は、一度聞いたら耳から離れない印象的なフレーズとして今も多くの人の記憶に残っています。しかし、ブームが過ぎた後、テレビで彼を見かける機会は少なくなり、「あの人は今…」と感じていた人も多いのではないでしょうか。
ところが今、そんなですよ。さんが“謝罪代行”という異色の活動で再び注目を集めているのをご存じでしょうか? そこには、ネタ誕生の思いがけないきっかけや、人生を揺るがすようなある出会いが関係していました。
ですよ。の現在の活動は?再び注目される理由
引用元:https://encount.press/archives/693794/
地道なライブ活動と人とのつながり
「あいとぅいまてーん!」で一発ブレイクした後、ですよ。さんはテレビの露出が激減。「エンタの神様」での出演終了後、仕事が激減し、いわゆる“消えた芸人”と見られる時期もありました。
しかし、彼は芸人を辞めることなく、地方営業や小さなライブイベントに地道に出演し続けていました。SNSが普及する前の時代、テレビ以外の発信手段がほぼない中での活動は、まさに“踏ん張り”の連続。その中で人とのつながりを大切にし続けたことで、後の再注目につながったのです。
再ブレイクのきっかけは“謝罪代行”
そんな中で2019年ごろから話題となったのが、ですよ。さんが始めた**「謝罪代行サービス」**。なんと、依頼人の代わりに本人が「あいとぅいまてーん!」で謝罪してくれるというユニークなサービスで、Twitterやメディアで話題沸騰。最大で月に400件を超える問い合わせがあったそうです。
この活動がSNS世代の心を掴み、再びメディアにも登場する機会が増えていきました。
最近では、なんと『あ〜いとぅいまて〜ん講習会』なる活動もスタート。希望者には受講料=人数分のお気持ち代+往復交通費で、講習時間わずか2分半という超スピードレッスンを提供しています。
もちろん“ギャグ”としての遊び心もありつつ、実際に希望する人が後を絶たないというから驚きです。正式に申し込みたい方は、ですよ。さんのSNSへDMを送れば対応してもらえるとのこと。
ですよ。の謝罪代行とは何か?依頼の実態と対応内容
サービスのきっかけと想い
ですよ。さんが謝罪代行を始めたのは、「自分のギャグが誰かの人間関係をつなぐ“きっかけ”になれば」という想いからでした。
もともとは知人の相談から始まった小さな試みでしたが、これが「自分で謝れない人の背中を押す役割」として評判に。そして「本気で謝りたいけど、どう切り出せばいいかわからない」と悩む人々の依頼が殺到するように。
料金やエリア、どんな依頼が多いのか?
謝罪代行の料金は、例:友達と喧嘩して謝りたいけど素直に謝れない…など、年間で1万回『あーいとぅいまてーん』の素振りをしているので謝る事には自信があります。交通費負担。相手に許してもらえなかったら無料、許してもらえたらお気持ちでOK。詳しくはDM下さい。ただし、内容や場所によって応相談。現在は月に1~2件ほどのペースで行っているとのことです。
対応エリアは主に東京都内や関東圏が中心ですが、イベントや特別な要望がある場合は地方出張も視野に入れて対応しているようです。
依頼内容で多いのは、家族や恋人との仲直りをしたいときの謝罪。形式ばった代行ではなく、ですよ。さん自身が登場して「一緒に謝ってくれる」ため、感情的にこじれた関係でも笑いを交えて空気を和ませることができるのが大きな特徴です。
実際にあった“感動”と“修羅場”のエピソード
依頼の中には、心が温まるものから修羅場ギリギリのものまでさまざま。
たとえば、
結婚5年目の記念日に「掃除ができなくてごめんなさい」と旦那さんに謝りたいと考えた女性。旦那さんが「ですよ。」さんのファンであることを知り、特別なサプライズとして彼の登場を依頼しました。ですよ。さんが登場すると旦那さんは驚きと感動で喜んだだそうです。
一方、夫婦喧嘩が原因で離婚危機にあった家庭に謝罪に行った際、奥さんに醤油の容器を投げられたというハードな場面も。その後、旦那さんに「お詫びにご飯でも…」と言われて、断るに断れずに承諾。外食するのかと思ったら、なぜか家でご夫婦とお子さんと一緒に食事をすることに。明らかに気まずさを感じたのですが、奥さんが食事中に「醤油がない。醤油どこ?」と言ったときに、「さっき投げたじゃないですか〜」と返したことで笑いが生まれ、最終的に仲直りに至ったという“奇跡の着地”も。
「あいとぅいまてーん」の誕生秘話が泣ける理由
ネタの始まりは舞台上の“大スベリ”
実はこのギャグ、計算されたものではなく、ライブで大スベリしたときにとっさに出た謝罪の言葉だったそうです。
NSC(吉本のお笑い養成所)を卒業したばかりで自信満々だったですよ。さん。しかし、ライブ初出演で思い切りスベり、思わず口から出た「あいとぅいまてーん!」が大爆笑をさらいました。
それが芸人としての“転機”となり、以後このフレーズを武器に活動を続けるようになったのです。
「こんなことしても食べていけない」と言われて…
その後、テレビ出演が減った時期に、結婚式の余興でこのネタを披露したところ、初対面の人から「なにがおもしろいの?」「こんなことで食べていけるの?」と心無い言葉を浴びせられたことも。
しかし、ですよ。さんはそこで**「見返してやる」と闘志に火がついた**といいます。
「じゃあこのネタだけを武器にがんばって、いつか見返してやろう」
(引用元:CHANTO WEB)
そんな「一発ギャグ」と思われがちな「あいとぅいまてーん」ですが、ですよ。さんにとってはただのネタではありません。彼は今も毎日「あいとぅいまてーん」を50回から100回ほど発声練習していると言います。これは一日28回以上続ければ、365日で一万回になる計算。それほどまでに、日々の“積み重ね”を大切にしているのです。
その根底には、高校時代の経験が影響しています。サッカー部に入ったのは高校からと遅いスタートでしたが、毎日3時間の自主練を続け、親からもらった100円のジュース代はすべて神社へのお参りに使っていました。すると、自分が思い描いた背番号、レギュラー、ポジションをすべて手にすることができたのです。
「やり続けたら報われる」——この確信こそが、ですよ。さんが今もネタを磨き続ける原動力。たとえ周りから見てウケていても、自分の中で“100点”が出ていない限り、満足しない。その姿勢こそが、芸人としてのプロ意識を物語っています。
📌ですよ。さん プロフィール
- 本名:斉藤 慎二(さいとう しんじ)
- 芸名:ですよ。
- 生年月日:1976年2月12日(49歳)
- 出身地:東京都小金井市
- 所属:吉本興業(東京NSC8期生)
- 芸風:ラップ調の一人コント・謝罪ギャグ中心
- 代表ネタ:「あいとぅいまてーん」「チョココロネだったんだYO!」
- 特技:サッカー(ボリビアに留学経験あり)
- 現在の活動:芸人活動と並行して「謝罪代行サービス」を展開中
ですよさんのネタ動画
芸人としての信念と転機、ですよ。の心を支えた言葉
ボリビアで出会った夫婦と娘の思い出
高校卒業後、サッカー留学でボリビアに渡ったですよ。さん。観光バスで向かったイグアスの滝で、なんとハイジャック事件に遭遇。命の危険を感じる中で、日系人の女性に助けられ、ご夫婦の家でしばらく過ごすことになりました。
その家には娘さんの部屋があり、「働きに出ているのかな?」と思っていたのですが、実は半年ほど前にイグアスの滝に行く途中に交通事故で亡くなっていたという事実を後に知らされます。
壁にぶつかったとき蘇る“あの言葉”
そのご夫婦は、イグアスの滝は娘を失った悲しみを思い出す場所だったため、もう訪れるつもりはなかったといいます。しかし、「君が行きたいと言ったから、勇気を出して行けた。ありがとう」と言葉をかけられたのです。
引用元:https://www.his-j.com/theme/world-heritage/latin-america/brazil/iguazu/
「どんな壁にぶち当たっても、絶対にあきらめるな」
この言葉が、ですよ。さんの芸人人生の原動力となっていると語っています。
まとめ
「あいとぅいまてーん」というギャグの裏には、スベった舞台、心ない言葉、命の危機、そして支えてくれた人々との出会いがありました。
芸人として生き残るだけでなく、自分のネタで誰かの人生をつなげる「謝罪代行」というユニークな形で再び注目を集めるですよ。さん。
ただのギャグではなく、人とのつながりを生み出し、関係修復の助けとなる「謝罪代行」。そして、人生の壁にぶつかっても挑戦し続ける「ですよ。」さんの姿は、私たちに諦めずに挑戦することの大切さを教えてくれます。