SNSを中心に話題となった、赤松健議員の「元本職」発言。
人気漫画家でありながら、現在は参議院議員として活動する赤松氏が、
同じく“オタク政治家”として注目される小野田紀美経済安保担当相を称賛した投稿が、
ファンの間で大きな反響を呼びました。
漫画・アニメ業界から国政に飛び込んだ赤松健が、
なぜ今「オタク文化」を語るのか。
そして、政治の世界で“好き”を貫く二人が何を見据えているのか——。
この記事では、赤松健議員の発言の背景や、小野田氏との共通点、
そして政治とオタク文化の新しい関係について掘り下げます。
赤松健(あかまつ けん)のプロフィール
出典元:https://x.com/kenakamatsu
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生年月日:1968年 7月5日(昭和43年)
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出身地:愛知県名古屋市(幼少期に熊本・東京都東久留米市などで過ごす)
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学歴:海城高校卒業、中央大学文学部卒業
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職業:漫画家・実業家・政治家(参議院議員)
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所属政党:自由民主党(比例代表・参議院)
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趣味・その他:レトロPC、中古レコード、古本コレクション
主な経歴・実績
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1993年、第50回「週刊少年マガジン新人漫画賞」審査員特別賞を受賞し、漫画家としてデビュー。
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人気作に『ラブひな』(1998-2001)、『魔法先生ネギま!』(2003-2012)、『UQ HOLDER!』(2013-2022)など。
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漫画家時代には、累計発行部数5,000万部以上、海外でも発行あり。
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漫画・アニメ業界の著作権・表現の自由に関わる活動を長年行ってきた。
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2022年、第26回参議院議員通常選挙(比例代表)にて当選。
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政治家としては、文化振興・クリエイター支援・デジタル政策など多方面に取り組んでいる。
赤松健が「元本職」と断言した理由とは?
話題となった小野田紀美氏の“ガチヲタ”ぶり
2025年10月23日、赤松健氏は自身のX(旧Twitter)を更新し、
小野田紀美経済安保担当相について次のように投稿しました。
「既にネットニュースで報道されているようにガチのオタクであり、女性向けシチュエーションCDやBLCDを中心に広報&プロデュースしていた、元本職の方です」
引用元:日刊スポーツ 2025年10月23日配信
この「元本職」という言葉に、ネットはざわつきました。
“ガチヲタ”どころか、オタク業界で実際に働いていたという経歴に、
驚きと親近感を覚えた人も多かったようです。
小野田氏は、政治家になる前にゲームやCD制作会社で広報・プロモーションを担当。
女性向けコンテンツの世界に深く関わっていた“本職経験者”。
まさに、赤松氏が「ガチ」と認めるだけの理由がある人物です。
小野田紀美「ヘタリア×羊でおやすみシリーズ」で公式側にいた過去
出典元:https://x.com/KenAkamatsu/status/1520597138165858304
実際、小野田氏は自民党YouTubeチャンネルでの対談中、
赤松氏から「どのキャラが好きなんですか?」と聞かれ、こう明かしています。
「それ言ったらいけないんですよ。私、公式側にもなってたことがあって……。
『ヘタリア×羊でおやすみシリーズ』っていうhoneybeeって会社にいて、
自分で企画書書いて幻冬舎に持ち込んでコラボしてたんです。
私、シナリオも書いてるんですよ。」
引用元:https://www.j-cast.com/2025/10/23508624.html?p=3
さらに続けて、
「『このキャラが好きです』『このカプが好きです』って言うと、
作ったCDに影響が出てしまうので言えなくなっちゃって……言いたいけどもね!」
引用元:https://www.j-cast.com/2025/10/23508624.html?p=3
と苦笑。
現場で作品を“作る側”として関わっていたことが明らかになり、
赤松氏が「元本職」と評した理由が明確になった瞬間でした。
政治×オタク文化を牽引する二人の共演にネットが反応
自民党YouTubeチャンネルの対談動画が話題に
この“共演”が起きたのは、自民党の公式YouTubeチャンネル。
赤松氏がパーソナリティを務めるトーク企画で、
小野田氏をゲストに迎えた回が公開されるやいなや、
コメント欄には「オタクトークが濃すぎる!」という声が殺到。
政治の話題ではなく、アニメ・漫画・同人文化など、
いわば「裏の日本カルチャー」を本音で語る二人の姿は、
従来の政治家像とはまったく異なるものでした。
政治とオタク文化をつなぐ「共感とリアリティ」
赤松氏と小野田氏、二人に共通しているのは、
“文化の当事者”として政治に関わっている点です。
どちらも単なる「アニメ好き」ではなく、
実際に作品制作の現場に関わり、文化を支えてきた“内側”でもあります。
そのリアリティが、彼らの言葉に説得力を与えています。
赤松健×小野田紀美、二人を繋ぐ“オタク愛”のルーツ
漫画・アニメに育まれた共通の価値観
赤松健氏と小野田紀美氏に共通しているのは、
どちらも「好きなことを突き詰めてきた人」という点です。
赤松氏は『ラブひな』『魔法先生ネギま!』など、
多くのファンに支持される作品を世に送り出し、
“萌え文化”の形成に大きく貢献しました。
一方の小野田氏も、BLCDなどニッチな分野に情熱を注いできた“裏方”。
どちらも、「好き」という気持ちが原動力になっているのです。
赤松健が政治家になった理由──「表現の自由を守るために」
赤松健氏が政治家を志したきっかけは、
漫画家時代から一貫して関わってきた「表現規制問題」。
「クリエイターの自由が失われる危機感」
2000年代後半、東京都の青少年条例改正案(いわゆる“非実在青少年”問題)が議論された際、
赤松氏は多忙な連載の合間を縫ってSNSやネット番組で反対の意見を発信。
著書『マンガでたのしく!国会議員という仕事』(筑摩書房)でこう振り返っている。
「自由な発想ができることは、すべての創作の源。
一度規制が始まると、戻すことは非常に難しい。
自由の規制には慎重になるべきだと思うのです。」
引用元:赤松健『マンガでたのしく!国会議員という仕事』(筑摩書房、2024年)より
この“表現の自由”を守りたいという信念こそが、
赤松氏を政治の道へと導いた原点。
山田太郎議員との出会い、そして「自民党」から出る決意

山田太郎議員 出典元:https://www.jimin.jp/member/139992.html
2012年には、出版社に著作隣接権を与える動きに反対する活動にも参加。
その過程で、後に盟友となる山田太郎議員と出会う。
「赤松さん自身が政治家になったほうが早くて確実だよ」
引用元:山田太郎氏からの助言(同書より)
当時は『UQ HOLDER!』の連載中で一度は断ったものの、
2019年に「静止画ダウンロード違法化問題」が浮上したことで決意が固まったそうです。
政府が当事者の声を聞かずに法案を通そうとしたことに危機感を覚え、
「やはり現場の人間が国会に行くしかない」と判断しました。
「なぜ自民党から?」という問いへの答え
一部のファンからは「なぜ表現規制を進める自民党から?」という疑問もあった。
これについて赤松氏は、公式サイトで明確に説明しています。
「表現規制の芽を早い段階で潰すには、与党の内部にいるほうが確実。
山田議員と連携し、党内から変えていくための選択です。」
また、赤松氏は派閥に所属せず、団体からの支援も受けないという独立した立場で活動。
「表現の自由に対する票を可視化する」と語っています。
漫画家から議員へ──秋葉原から全国へ「47都道府県街頭演説」
自民党の公認を得た後、赤松氏は秋葉原に選挙事務所を開設。
サブカルチャーの聖地から全国へと発信を始めた。
「秋葉原は表現の自由への関心が高い土地。
ビラを配るとほとんどの人が受け取ってくれました。」
そして、自ら「本人」と書かれたたすきをかけ、
全国47都道府県で街頭演説を実施。
アニメショップの前で演説し、ファンと語り合う姿は、
まさに“オタク文化を守る政治家”そのものでした。
その結果、2022年の参議院選挙で全政党の比例候補中トップの52万票を獲得。
晴れて“漫画家出身議員”として歴史的な第一歩を踏み出した。
「オタク文化」を守るために、政治でできること
赤松氏が国会で掲げるテーマは明確だ。
- 表現の自由・知的財産保護
- 文化外交・文化振興クリエイター支援
- デジタル技術・開発推進
表現規制問題だけでなく、
若手クリエイターの待遇改善、AI創作と著作権の整備、
そして同人文化の健全化などにも積極的に取り組んでいます。
彼にとって政治は「文化を守るための手段」。
“描く人”から“動かす人”へと立場を変えても、根底にあるのは変わらない。
赤松健議員のように、自分の“好き”を社会に活かす姿勢は本当にかっこいいと思います。漫画やアニメは日本の宝。その価値を理解し、守る政治家が増えることを願いたいですね。
文化を理解する政治家が求められる時代
グローバル化が進み、日本の“ソフトパワー”が世界で評価される今、
アニメや漫画を単なる娯楽ではなく「国の資産」として捉える視点が重要です。
赤松健や小野田紀美のような、
「文化を理解し、文化を発信できる政治家」は、
これからの時代のキーパーソンになるでしょう。
まとめ
赤松健議員の「元本職」発言は、
単なる冗談や称賛ではなく、
“文化を理解する政治家”へのエールでした。
漫画家出身の赤松氏、そして業界経験を持つ小野田氏。
二人の共通点は、「オタク文化を愛し、守りたい」という信念です。
アニメや漫画が国の顔となりつつある今、
文化と政治の距離を近づける二人の存在は、
新しい時代の希望といえるでしょう。